成年後見制度の公開講演会へ参加

今日は先日から予定としていたコスモス成年後見サポートセンター静岡県支部設立記念事業として行われた成年後見制度の講演会へ行ってきました。

静岡県総合研修所もくせい会館まで

今日の講演は静岡県総合研修所もくせい会館で行われました。講演会のお知らせにJR静岡駅北口から徒歩で約15分・しずてつバス「水落町もくせい会館入口」バス停下車約5分とありましたが、駐車場があるのなら車で行ってみようと思い電話で問い合わせてみました。
電話応対していただいた方に「台数に限りがありますので早めにお越しください」と言われたため午後1時30分からの講演には早すぎるかなと思いながら自宅を午前10時過ぎに出発し、12時には到着する予定でしたが、方向音痴の私は道に迷ってしまい、結局着いたのは1時を過ぎていました。

何が起こるかわかりません。何事も早めに行動するよう心がけます。

行政書士・社会保険労務士ダブル資格で開業の先生との出会い

車を駐車場へ止め会場へ入ったのですが、初めての場所で駐車券の発行などはどうしたら良いのか分からなかったため、近くにいた女性に声をかけ聞いてみました。その方も車で来たとのことで「一緒に行きましょう」と快くフロントまで行き名簿への記入を教えていただきました。

その後失礼かなとも思いましたが、「行政書士の先生ですか?」と聞いてみたところ「はい、そうです。でもまだ開業して1年で、今新人講習を受けているためこの場所には何回か来たことがあるんです」ということでした。ロビーには偉い先生かな?と思わせるようなスーツを着た男性がたくさんいたため、なんとなく緊張してしまいましたが、その女性の先生が挨拶をしている横で私も知らず知らず一緒にお辞儀をしてしまいました。たぶんお辞儀をされても一体誰なんだろうと思ったことでしょう。

結局その先生に講演会の最後まで一緒させていただき、最後に名刺を貰ったのですが、私は名刺もないため、口頭で自分の名前を言いました。今後やはり名前だけでもわかる程度の名刺は必要かなと思いました。

成年後見制度の講演会参加者

この講演会の定員は160名で参加費も無料のうえ、誰でも参加でき、個別の相談もできたのですが、会場を埋め尽くすほどの人数はいなかったように思われました。一般市民の関心度があまりないためでしょうか?少し寂しい気がします。

もし関心がないことが原因であるのであれば、私も何か自分でできることを見つけ広く一般の方に興味だけでももっていただけるような広報活動もしていきたいなーなどと考えてしまいました。

今日の講演会のメインテーマ成年後見制度とは

成年後見制度とは、認知症・知的しょうがい・精神しょうがいなどのため判断能力が低下している方、または今は判断能力があっても将来を心配する方を保護し、権利を守るためにある制度で、法定後見制度・任意後見制度があります。

法定後見制度
既に判断能力が低下している方を対象とし、判断能力の違いで後見・保佐・補助の3つに分けることができます。

1.後見
常に判断能力を欠く常況にある方が対象とされ、本人または、配偶者、4親等内の親族などが家庭裁判所へ申立て裁判所が後見人を選任します。

2.保佐
判断能力が著しく不十分である方が対象とされ、本人または、配偶者、4親等内の親族などが家庭裁判所へ申立て裁判所が保佐人を選任します。

3.補助
判断能力が不十分な方が対象とされ、本人または、配偶者、4親等内の親族などが家庭裁判所へ申立て裁判所が補助人を選任しますが申立てには本人の同意も必要とされます。

法定後見制度は親族の方の申立てが多いようですが、判断能力の低下がある方本人の権利を守るためにあるということを知らない方も多いようです。

任意後見制度
将来判断能力が低下したときのために自分を守ってくれる人と契約をする制度です。

将来のことを自分の意志で決め、その意志が最大限尊重されるためにこの制度を利用する方が多くなることが望まれますね。

成年後見人、保佐人、補助人の仕事

成年後見人、保佐人、補助人の仕事には大きく分けて身上監護と財産管理の2つがあります。

身上監護とは、施設などの入所・退所契約、病院への入院・退院に関する契約、介護サービス利用契約などを本人の意思を尊重して、身体状態・生活状況を考慮して行う法律行為です。

財産管理とは、本人の現金・預貯金の通帳などを預かり、年金等給付金の請求・受領、施設・病院・介護サービスの支払い、公共料金・保険料の支払いなどの入出金を管理することです。

*身上監護・財産管理の中でも後見人・保佐人・補助人の違いにによって行うことができる範囲が異なることがあります。

行政書士による成年後見制度

今親族以外の後見人等として弁護士・司法書士・社会福祉士などの方が裁判所より選任されていることが多いようですが、後見人等候補者が不足しているという現実もあるようです。その要因には職務としてやることの大変さがあるのかも知れません。行政書士会も後見人等の育成に力を入れるため、コスモス後見サポートセンターを設立して社会貢献の取り組みをしているそうです。

後見人等の仕事は財産管理・身上監護がありますが、その中で一番行政書士として重視していることは身上監護だとこの講演会で粂先生が仰っていました。身上監護は生活のなかで本人に直接関わる大切なことが多いですよね。

コスモス成年後見サポートセンターとは

行政書士を専門職後見人として育成、監督などをし、その加入会員を後見人として裁判所へ推薦することをしているそうです。推薦されれば後見人として指名される可能性も多くなるということでしょうね。

会員となるには、都道府県の行政書士会に会員登録がされていることが必要で、自分の加入する都道府県に支部があるのかどうかで加入方法も違うようです。そして加入前講習が30時間以上あり、講習後の考査で70点以上で加入できるそうですが、成年後見制度だけではなくそれに関わる介護保険法・障害者自立支援法など広い知識を習得しなければならないとのことです。

あとがき

この講演の中で粂先生が力を込めて仰っていたことがありました。それは後見人等になることを考えるのであればは「その人の人生を背負う覚悟がないとできない」という言葉です。お話の中でも夜中に施設や病院などから連絡が入り行くこともあるとのことでした。そしてその方が亡くなられるという現実にも向き合わなくてはならないのです。とても重みのある言葉ですが、その通りだと強く感じます。
その言葉をしっかり受け止め、この制度をもっと深く学びたいと思っています。

記事:横山 弘美

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