大原実務家講演会2013のまとめ

今日は、静岡市にある大原の実務家講演会に行ってきました。
この講演会のお知らせは、試験の日に試験場付近で配布していたパンフレットの中にあったものですがもし合格していなかったら気持ちが落ち込んでいて多分行けなかったでしょう。
今回の試験でも辛い思いをして、再度の試験をがんばろうという人達がいるのに、ほんとうに前向きさが欠けてますね。
まあーそんなだめな私が聞いてきた講演会の内容を書いてみます。

今日のお話は静岡県行政書士会副会長月見里先生でした。
月見里先生は静岡県で初めて法人となられた事務所の代表であり、奥様そして息子さんまでもが行政書士であるとのことです。
一家で行政書士なんてびっくり。

新人に伝えたいこと

まず先生はお話の中で、「今の新人の行政書士になった人は、試験制度が変わったため、行政書士法の勉強がされていないのでこれはぜひ勉強してくださいね」と仰ってました。

私自身、一度なんとなく目を通した感じはありますが、試験科目に入っていないものは素通りしてしまいました。
行政書士の一番の基本法になるものですから、しっかりと勉強してみます。

行政書士の仕事

行政書士の仕事には大きく分けて以下のようなものがあり広範囲に及びます。

  • 許認可関連
  • 法人設立関連
  • 土地利用関連
  • 自動車関連
  • 外国人関連
  • 相続関連
  • 権利、契約関連

その仕事を全部取り扱うことは大変難しいことです。やはり専門分野を自分で見つけ、確立させることが重要になるのですが、私にとっては専門分野を探すことさえ難しいことだと感じます。それは自分のやりたいことと出来ることが必ずしも一致するとは限らないからです。

行政書士の実務

行政書士という仕事には試験勉強では学びきれなかった実務があります。例えば、許認可の仕事があってもどこに出す書類でどのような内容があるのかさえわかりません。そんなことがわからないのは私だけかもしれませんが。少しでも実務について学びたいと思っていますが、行政書士会の講習会などは登録後でなければ参加できないようです。

ネットで有料セミナーなど実務について書かれていますが、正直言って本当に良いものかよくわかりません。しかし今後そのような実務セミナーなどの参加も考えていこうとも思っています。それは内容だけではなくそこに自分と同じような考えで来た人との出会いがあるかもしれないからです。

行政書士間の連携と他士業とのネットワーク

実務はやってこそ分かり、また失敗して成長していくものだとも言われますが本当にそうなんでしょうか?。
不安だらけの私ですが今日の月見里先生のお言葉の中にとても気持ちが救われるお話がありました。それは「行政書士は横つながりが強く先輩方も相談にのってくれるので安心して良いですよ」とのお言葉です。そして「行政書士間の連携で専門分野によって他の方に仕事をお願いすることをしているので新人の方も心配しなくて大丈夫です」と言うことでした。

先輩方に甘えるばかりではやっていけないという自覚を持ちつつ、先輩方に指導していただけるのであれば幸いです。

また、法律を扱う仕事にはその士業の職域があります。その職域を把握し、他の士業の方とネットワークをもってやっていくことが大切だと先生も仰っていましたが、私にはまだそのような人脈もありません。ほんとうに1からのスタートです。

建設関係業務について

先生の専門としている、建設業許可申請(500万円以上の請負をするために必要とされる許可)、そのあとの決算期ごとの年度報告、公共工事を希望する業者の申請経営状況分析申請(毎年)、経営規模等評価審査(毎年)、競争入札参加資格申請(隔年)などは単発的な仕事でなく連続性のある仕事なので、安定した収入を得ることができるということですがとても難しそうです。

独立開業

開業するには個人事務所または、法人事務所で開業することになります。それぞれメリットとデメリットがあるということです。

個人事務所のメリット

  • 開業手続きが簡単
  • 記帳・税金申告が簡単
  • 事務所運営がひとりでできるので煩わしさがない

個人事務所のデメリット

  • 自分が病気等になった場合、事務所の維持が困難になり、死亡時には廃業となる
  • 累進税率で稼げば稼ぐほど税率があがる
  • 国民健康保険、国民年金制度に加入しなければならない
  • 社会的信用が劣る

法人事務所のメリット

  • 病気、死亡などでも事務所の存続が可能
  • 社員数だけ支店の設置が可能
  • 対外的信用度が増す
  • 行政書士が複数になることで専門分野の領域が広くなる
  • 税率が一定率である
  • 社会保険、厚生年金制度への加入ができる

法人事務所のデメリット

  • 行政書士会の会費の負担が行政書士人数プラス法人分となる
  • 利益余剰金が出ても社員に自由に配当することができない
  • 社員は法人に対して連帯責任を負う
  • 開業手続きに時間がかかる
  • 記帳、税金申告が複雑

私は、地道にコツコツとやっていけるような個人事務所の開業がまず目標です。

静岡にもコスモス成年後見サポートセンター支部が設立

現在静岡県はコスモス成年後見サポートセンターの支部になっていないようですが、今回の講演会の中で支部が設立することになったとのお話がありました。

成年後見制度は、私にとって学びたい分野の一つであります。それは今の仕事のなかで幾度となく特に認知症高齢者のことで困っている方をみてきたからです。成年後見制度のことを知らない人もたくさんいるのではないかと思います。
家族がこういう制度を知ることで、ご自分のご両親を守ることもできるでしょう。そして行政書士も専門職後見人として社会貢献できることも素晴らしいですよね。

今は深い知識はありませんが、今後の自分の課題としてもっと勉強していきたいと思っています。

士業の先生はお堅い?

月見里先生はとても気さくな人で、お堅い感じである士業の先生をイメージしていた私にはとても好感がもてました。
先生のなかにはいろいろな方がおられるとは思いますが、私も気軽に話せる行政書士になりたいです。何と言っても町の法律家ですからね。

あとがき

今日の講演会が私の行政書士になるための初めの一歩となりました。

記事:横山 弘美

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